研究室の写真に必ずと言っていいほど写っている器具、それが「ピペット」です。親指でカチカチとボタンを押しながら、透明な先端で液体を吸ったり吐き出したりする、実験の代名詞のような道具。見るからに難しそうに感じるかもしれませんが、実際には“慣れれば誰でもできる基本動作”です。
ピペット操作は「押す位置」と「目線」がポイント
マイクロピペットには、ボタンを軽く押したところに「第1ストップ」、さらに強く押したところに「第2ストップ」という2つの位置があります。液体を吸うときは第1ストップまで押した状態でチップを液面に入れ、ゆっくり指を離して吸い上げます。吐き出すときは第2ストップまで押して、液体を最後まで押し切る――基本はこれだけです。
初心者が失敗しやすいのは、チップの先を液体の底まで深く差し込みすぎること。正しくは「液面から数ミリ沈めるだけ」で十分です。目線を水平にして液面を確認することで、毎回同じ深さで操作できるようになります。
失敗しながら“手の感覚”を覚えていく
最初のうちは、気泡が入ってしまったり、量が微妙にずれたりすることもあります。しかし、多くの職場では水や色付きの練習液を使ってトレーニングするため、本番のサンプルを失敗させる心配はありません。何度か練習するうちに、「このくらいの速さで指を離せばきれいに吸える」「ここまで押すと液が飛び散る」といった感覚が指先に染み込んでいきます。
ピペットが使えれば、実験補助の仕事の幅がぐっと広がる
ピペット操作をマスターすると、試薬の調製、検体の分注、希釈操作など、できる仕事の幅が一気に広がります。研究職派遣の求人でも、「ピペット操作経験がある方歓迎」と書かれていることが多く、未経験からスタートしても数ヶ月後には“立派な武器”になってくれます。
最初は誰でも初心者です。ピペットは、体育の逆上がりのように「できるまでが怖い」だけで、一度コツをつかめば自転車のように自然と体が動くようになります。実験補助を目指すなら、ぜひピペット操作を“最初に乗り越える小さな山”として楽しんでみてください。