XRD(X線回折)とは?材料・環境分析の初心者でも分かる測定原理と活用例
XRD(X-ray Diffraction、X線回折)は、固体の結晶構造を調べるための分析手法です。建材、金属材料、鉱物、環境試料など、幅広い分野で使われています。アスベスト分析でも必須の技術の一つです。
この記事では、専門用語になじみのない方でもイメージできるよう、XRD の原理と活用例をやさしく解説します。
XRDの基本原理
結晶とは、原子やイオンが規則正しく並んだ固体のことです。この規則正しい並びに X線を当てると、特定の角度で強く反射されます。この「反射のパターン」を測定するのが XRD です。
シンプルに言えば、
「X線を当てて、返ってくる角度と強さを見て、その物質が何かを当てる装置」
と考えると分かりやすいでしょう。
XRDで分かること
- どんな結晶相(フェーズ)が含まれているか
- アスベストや石英など、特定鉱物の有無
- 結晶の大きさやひずみの程度(高度な解析)
測定結果は「回折パターン」と呼ばれるグラフで表示され、横軸が 2θ(回折角)、縦軸が強度を表します。各物質は固有のピークパターンを持っているため、ライブラリと照合することで物質同定ができます。
アスベスト分析でのXRDの役割
アスベスト分析では、光学顕微鏡や偏光顕微鏡で形態を確認したうえで、XRDを使って「本当にアスベストかどうか」を結晶構造レベルで確認することがあります。特に含有量が多い場合や、確定的な同定が必要なときに力を発揮します。
未経験者が押さえておきたいポイント
- XRD は「形」ではなく「中身の並び方」を見ている
- 試料調製(粉砕・均一化)が結果に大きく影響する
- ピークパターンの解釈には慣れが必要だが、操作自体はマニュアル化されていることが多い
材料・環境分析の現場では、XRD経験があると仕事の幅が広がります。最初は試料の前処理や装置操作の補助から始まり、徐々にデータ解釈にも関われるようになるでしょう。